[PR]
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
- Older : ボーイッシュ
江戸時代初期、泰平の世を築くため小幡月斎は戦で親を失った子供たち10人を集め、内乱の芽を摘み取る暗殺集団へと育てた。
修行を終え、任務に立つ朝、月斎は子供たちに仲の良い二人組で組むように言った。そして殺しあえと言った。
厳しい任務を遂行するには非情な人間になること。
そのための最初の試練として一番仲の良い友を殺さねばならない。
眉一つ動かさず友を斬る者。涙ながらに刀を振り回す者。
そうしてその場には五人だけが残り、月斎の後を追い、任務へと旅立った。
これが映画「あずみ」の冒頭のシーン。
初めて観たときはときはまだ小学生だったので、あまりの残酷さにショックを受けつつも物語に引き込まれていったのを覚えている。
やむにやまれず友と戦うハメになってしまう。そんな時代もあったのだなあと目をそらしてはいけない。現代でも十分起こりうる。しかも私たちのすぐそばで…。
工学部の一部の学科の学生は木曜日の3・4校時目に健康・スポーツAがある。今日行われた第一回目の授業は、第一体育館に集まって今後自分たちがするスポーツの種目を決めるという内容。種目はバスケ、バレー、ソフトボールなど様々で、一番人気は気軽にできるバドミントン。
それぞれの種目には担当の先生がいて、その人のもとに集まることで種目を選択する形になっている。種目にはそれぞれ定員が40人ほどに決められており、それを超えるとほかの種目に移される。定員に収まっているかどうか確認するために学生は4人ずつの列に並ばされ数えられる。
ほとんどの所はうまく定員に収まったけど、一番人気のバドミントンはそうはいかなかった。定員より大幅に多く、自分から動く人がほとんどいないためじゃんけんで決めることになった。
50人近くが一斉にじゃんけんなど非効率的にもほどがあるだろうと思っていたら、なんと先生が横に並んだ4人で先にじゃんけんをして、負けた人たちでもう一度じゃんけんをしろと言ってきた。
そんな!あんまりだ!
選択式の授業だから横に並んだ4人は、前から示し合わせていた友達同士の可能性が高いじゃないか。
その中で勝敗を決めるというのはひどすぎる!
「あずみ」とそっくりだ。
好きな種目をとるためにやむにやまれず友と戦うなんて、「あずみ」とそっくりじゃないか。
陰惨な過去をまた繰り返してるではないか。
ほら見ろ。
負けた人の作り笑いが痛々しい。
これから一人ぼっちで人気のない種目をやるハメになるんだ。
かわいそうで仕方がない。
時代が変わっても、友に刃を向けるという不条理は起こりうるということ。
それを知れたことで私たちはまたひとつ強くなれたであろう。
COMMENT
COMMENT FORM